N先生は「退院おめでとう。でも、これからが長いんですよ。油断しないで下さいね。めまいは私が必ず治しますから、私がいいというまで必ず通院してくださいね。」とおっしゃいました。
僕は『長いってどれくらいかかるんだろう。』とこれから始まる闘病生活への不安と退院できる喜びが混ざり合う感情を持っていたことを今でも、はっきりと憶えています。
永井看護師は「もう、そんなにがんばらないでね。ゆっくりやるのよ。」と励ましの言葉をかけてくれました。とてもうれしかったです。
そして「オセロやってくれたこと、ずっと憶えてるから」と僕は答え、みんなに手を振り挨拶をしました。
すると、あまり話をしなかった、隣のベッドで治療を受けていた洗浄脅迫の男の子がでてきてくれて、僕に手を振ってくれました。とてもうれしくて僕も振り返しました。
みんな笑顔で別れの挨拶ができ、とても楽しい退院式になりました。
それから父と母と三人で車に乗り込み2ヶ月間お世話になったH病院を後にし、家へと向かいました。
2ヶ月振りの我が家はとても安心できる場所でした。ところがそれもつかの間、帰ってきた途端にめまいが襲ってきました。
そのころはまだ、対処法がわからずとにかく気持ちがあせってばかりで、土星を真横からみたチカチカとしたような感じをどうする事も出来ずとん服を飲んで、ベッドに横になり、父や母が交替で添い寝をしてくれました。
しかしそれでもおさまらずベッドの上でのたうちまわっていました。カーテンから漏れる商店街を照らしているライトの光でさえ気になりました。とん服は気休めでしかないと思います。
めまいを一時的に早くおさめる方法はまた今度かこうとおもいます。
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