休日ということもあってあまり人がいませんでした。父に支えられながらゆっくりと救急の受付へ向かいました。「精神科の診察室の前で待っていて下さい」とのことでした。
父に「心療内科じゃないの?」と聞くと、「同じことだよ」と教えてくれました。
しばらくたつと20代後半の色黒で背が低くがっしりとした体格のハンサムな白衣を着た先生があらわれました。
「中へどうぞ」やさしいしゃべり方でした。中へ入ると先生は「どうしました?」と聞くので頭が割れそうに痛いこと、ここの病院へ来る前に心療内科で僕に内緒で薬が処方されたことなどをしゃべり、それより前の高校時代にいじめにあったこと、大学を中退して郊外で新聞配達をしながら受験勉強をしていたことなどは父に話してもらいました。
すると先生は「わかりました。つらかったですね。とりあえず今は注射を打って眠りましょう」
「危険な注射じゃないので心配しなくていいですよ」と言いながら注射器を取り出しました。
不安気持に襲われましたが、第一印象でこの先生なら信頼できそうだと思いましたので、身をゆだねました。
注射器を打つと本当に眠くなり、それと同時に恐怖心に襲われました。「先生大丈夫ですよね?大丈夫ですよね?先生、先生、先生っー」そう言いながら気を失いました。
数時間がたち、目を覚ますと窓の外は真っ暗になっていました。
麻酔が効いているのか体を動かすことができません。声を出すことはかろうじてできましたので看護師さんを呼びました。
先生も一緒で「ベッドを空けておきます。来週から入院しましょう。今週は安静に家で過ごしてください。」とのことでした。
入院との言葉に驚きましたが『本当に病気だったんだ』病気というお墨付きをもらったことなぜか安堵感に満たされたことを憶えています。
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