とてもうれしかったなぁ。
家へ帰る車の中会話は特にありませんでした。父は『何も言わなくていい。よくやったよ。』そんな感じでした。
半年間の緊張から解放されていくのを感じながら車の外を眺めていました。
するとどういうわけか、目がかすんでいくのです。視力がどんどんと落ちていくのです。目が見えなくなってしまうのではないかと不安でした。後でわかったことですが、1.0あった視力がこのとき0.1まで落ちてしまったのです。
半年間にわたる過度の緊張とストレスが原因からだと思います。
家に着くと母親も弟も妹もまだ元気だったおじいちゃんもみんな何事もなかったかのように「おかえり」と言ってくれました。
おじいちゃんの目には涙がうかんでいたのをいまでもはっきりと覚えています。すごんで家を飛び出した僕でしたが『やっぱり、ぼくの家、僕のふるさとはここなんだ』そう感じました。
帰宅後2、3日は放心状態でした。『これからどうなるんだろう』敗北感と不安感。でも、今まで以上に家族の愛を感じていました。
しばらくして、近所でアルバイトすることにしました。サンドイッチ屋さんです。『そこでアルバイトをしながら受験勉強をつづけよう』ここまできても僕はまだ大学にこだわっていました。
情けないようですが、価値観が変わらないのです。
ここまで大学にこだわる僕を母親はここで初めて『この子は病気なんではないか?』と疑い始めました。
僕はというと「俺はすごいんだ。絶対いい大学に行ってやる」という具合。
やはり、病気だったのです。無理やり近所の心療内科へ連れて行かれ診てもらいました。この時点ではまだ、めまいはしていませんでした。
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