僕の変わり果てた顔の表情に、所長の奥さんも心配してくれました。
遅刻したために配達も遅れ、朝の6時頃まで普段なら配り終わるところですが、7時になっても半分しか配り終わっていないような始末。見かねて先輩の配達員の方に配るのを手伝ってもらいました。
催促の電話もリンリンなってみんなに迷惑をかけたのをおぼえています。申しわけなかったなぁ。
なんとか普段の2時間遅れで配達を終えたのですが、食事ものどにとおりませんでした。
アパートに帰りぐったりして天井をみながら、『もうダメだ。限界だ悔しいけれどお父さんに電話して家に帰ろう』半年間、連絡を取っていなかった父の携帯電話に連絡しました。
父の第一声は「ダメなのか?帰るか?」でした。
半年間も連絡を取っていなかった息子がいきなり電話してきたので直感したのだと思います。「うん、もう限界」と言いました。
それからその次の日に速達で母親から一通の手紙が来ました。そこには『よくがんばったね、帰ってらっしゃい』と一言かいてありました。
涙が止まりませんでした。あんなに泣いたのは人生で初めてでした。『やっぱり、親ってありがたいなぁ』心の底からおもいました。
その晩、所長のところに辞めることつげに行きました。敗北感でいっぱいでした。まだ19でしたが人生が終わった気がしていました。
所長は僕のように1年もたない新聞奨学生に慣れていたのか「家に帰って親孝行しなさい。家に帰ってゆっくりと自分の人生をどうするのか、考えなさい」と激励して下さいました。
ありがたかったです。ただ、このときはまさか後に薬漬けにされてめまいに苦しむ人生が待っているとは考えもしませんでした。
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